ARENA HOMME+ 25年5月号 イ・ジュノ
「いつも本気でなければならないと思います。技術が良くなって最近はよく見えるし、よく聞こえるし、台詞と台詞の間の呼吸もとてもよく聞こえるので、一つ一つを粗末にすることはできません」
以前インタビューで、家では楽な服を着て、仕事する時はシャツを着ていると言っていましたが、今回の撮影はまさに仕事する時の感覚だったんですね。
仕事する時の感覚というよりは楽でした。ベルルッティは革の服が多くて、着てるうちに体にフィットするようにエイジングしていくので、普段もそういう服が好きで、時間が経てば経つほど自分のものになっていくので、今回の撮影はシャツも着てましたが、 撮影場所も韓屋だったし、天気もすごく晴れていて気持ちよかったです。
ベルルッティのグローバルアンバサダーになったイ・ジュノとベルルッティ、どんなところが似ているのでしょうか?
イメージはブランドで見ていただくのですが、共通点を挙げるとしたら、不変の堅実さだと思います。ちょうど創立130周年を迎えたベルルッティは長い間、本当に変わらずに伝統を維持してきたので、その秘訣は何だろうと考えさせられますね。変化を受け入れなければなりませんが、 僕も17年目なので、アイデンティティをどのように変わらずに続けることができるかを考えてます。そのような面をブランド側で良く見ていただけたのではと思います
キレイだけど、あまり堅苦しくない感じがよく似合うと思いました。
良いポイントですね。以前から歌手として活動する時や演技をする時、僕のカラーはキレイさだと思いました。ダンスや歌の練習をする時、キレイにしたかったし、演技をする時にもその役にぴったり溶け込もうと努力しました。キレイだけど定型化されてない姿がベルルッティと合いますね。
理想的な出会いですね。
ありがとうございます。僕は革がすごく好きで、普段も革が好きなので、ぴったり合うブランドに出会えたと思いました。
アンバサダーとして活動する中でやってみたいことはありますか?
ベルルッティのアンバサダーになって、現地でベルルッティの歴史を振り返ることができる場所に行ったんです。実際に足のサイズや体の寸法も測って、その過程を映像で撮りました。アンバサダーになってからキャンペーン映像をうまく撮りたいと思ってたので、やってみたいことです。今後やってみたいことは、「ARENA HOMME+」と一緒に休養地で休暇を楽しむというコンセプトで 画報撮影をしてみたいですね。(笑)
今回の撮影で気に入ったカットは何ですか?
韓屋とベルルッティの出会いですよね、一見似合わないように見えますが、うまく調和しました。撮影した写真の中で、オレンジ色の衣装がよく似合うと思います。着飾った感じではなく、ブランド固有のイメージを見せたと思います。
先日行ったブラジルのファンコンサートについて話してみましょう。
期待するしかないですよね、結局、そこで私を訪ねてくれる人がいるから行けるわけですからね、一度も行ったことのない国に行くのは挑戦でワクワクしますね。到着した時、歓迎してくれる人がたくさんいて、ファンコンサートも成功裏に終えましたね。12時間も離れた場所でも僕を応援してくれる人がいるんだなとワクワクしましたね。機会が合わなかったので、ブラジルのトークショーにも出演して、短くて濃くその国を体験してきましたね。機会と時間があればまた行きたい国です。
ぴったりハマった部分があったようですね。
他の何よりも、ただ僕を見に来てくださった方が多かったという点がとても良かったです。
遠方でしたが、多ければ多いほど感動的ですね。
期待以上に多くの愛を受けました。反応も熱心でした。なぜなら、彼らも僕が遠くから時間をかけて来たことをすでに知ってるので、何かをするたびに非常に大きく反応してくれました。どんな動作や言葉を言っても大きな愛で返してくれるので、そのエネルギーを受け取って、より大きなジェスチャーとエネルギーでコンサートを補完するような相補的な感じを受けました。
そのような経験は、その後の活動に大きな力になりますね。
とても大きな力になります。この仕事をしている人であれば、どこにでも来てくれる人がいること自体がとてもありがたいことです。
ブラジルでドラマ「キング・ザ・ランド」が人気を博し、ファンコンサートまで開催されました。地球の反対側でも韓国ドラマが人気の時代に、俳優として生きている気分はどうですか?
ファンの皆さんに尋ねたのですが、僕のことをいつから知ってたのか、不思議なことに半分は歌手として活動していた時代から知っていて、もう半分は俳優として活動しながら撮った「キング・ザ・ランド」「油っこいロマンス」「ただ愛する仲」のような作品を見てファンになった方たちでした。歌手と俳優のファンダムの比率がバランスよくなり、時代が良くなって韓国ドラマが海外でたくさん愛されてますが、 ある意味、以前から着実に活動してきた先輩たちのおかげです。今も多くのアーティストが活躍してるので、みんなに良い影響を与える時代だと思います。また、最近は言語の障壁がない時代ですし、技術が発展したメディアのおかげもありますよね。
一つの作品の影響力が大きくなった環境が、作品を選ぶ時にもっと戦略的にアプローチするようになるのでしょうか?
大衆の立場からすると、アクセスが良くなって選択肢が増えたわけですが、その選択は本当に視聴者の皆さんに委ねられてるので、どの作品がうまくいくとは絶対に判断できないです。環境が良くなって期待する点もありますが、逆の結果が出ることもありますし、頭で考えてできることではないと思います。作品をやると決めたら、無条件にこの役で生きていかなければならない、この役をちゃんと表現しないと伝わらない、そんな気持ちで臨みます。それでこそエネルギーが大衆に届くと思います。
やっぱり本質が一番大事ですよね。
いつも本気でないといけないと思います。技術が良くなって、最近はよく見えるし、よく聞こえるようになったので、台詞と台詞の間の呼吸もすごくよく聞こえるので、ひとつひとつを粗末にすることはできません。技術が進歩して、みんなが専門家の目線で見てるので、大雑把なものは絶対にないんです。本当にシーンひとつ、台詞ひとつ、その人物として表現しなければならないと思います。
本気ですね。
言いながら恥ずかしいですが、自分で言い続けなければ、100%ではなくても90%くらいはできるようになりますよね。ある程度成功して人気を得ると、慣性で続く場合も多いですが、その流れにこだわらずに、ずっとすべてを手に入れようとしますね。人気は水の流れのようなものだと思います。本当にありがたいことに愛されれば愛されるほど、波のように流れていきますが、網がいつも僕がいるところにあるとは限りません。それをよく知ってるので、俳優イ・ジュノとして、 歌手イ・ジュノとして、僕が得意なことをうまくやろうと思ってます。大衆が見たいと思ってる何かが僕と接点があれば、それがまた僕を波に乗せてくれるんじゃないかと思うだけです。
映画「二十歳」で演じた姿を今でも覚えています。歌はもちろん、演技まで役柄にぴったりハマるので、この人は何でもできる人だなと思いました。
「監視者たち」で初めて俳優としてデビューし、「メモリーズ 追憶の剣」「二十歳」、連続して3本の映画を撮りましたが、何事もそうやってしっかりやろうと準備するんです。そうしないといけないんです。自分を騙すことができないので、自分がしっかりやれば伝わらないかなと思いながら、常に厳密に準備します。作品の時はずっとそのキャラクターのことしか考えないんです。関心がそれしかなくて、撮影が終わって家に帰っても、ずっとその人物になりたいと思います。オンオフが簡単な性格ではないので、普段もそのキャラクターのように過ごしたいという気持ちが大きいので、歌手活動と俳優活動が重なると両方とも大変で、その中間地点でうまくバランスを取る必要があります。
スケジュールが多いため、忙しくなった時に自分を整える秘訣はありますか?
移動する時は車の中で無条件に寝ます。無条件に寝なければなりません。二つの活動を並行するには寝る時間も足りないので、両方をこなすためには仕方ないことを知ってるので、移動する時はできるだけ寝るようにしてます。車内の遮光カーテンを張って、シートもよく倒せるようにし、首枕を敷いて寝ます。最近は頭だけ置いて寝る状況です。
ドラマ「CASHERO 〜ヒーローは現金を持つ〜」と「テプンサンサ」が今年連続して公開されます。2つのドラマではどんな新しい姿を見ることができますか?
「テプンサンサ」は、現在の僕の感性を全部見せることができる作品だと思うので、本当にリラックスして撮影してます。「CASHERO 〜ヒーローは現金を持つ〜」はNetflixオリジナルシリーズで、ヒーロー物なので設定がとても不思議で、持ってる現金と同じくらい超能力を使う能力者が主人公なので、どう見ても見どころが多いドラマです。そういう点で、「テプンサンサ」は僕の現在の姿を見ることができますし、「CASHERO 〜ヒーローは現金を持つ〜」は現実のヒーロー物として少し違う姿を見ることができます。
作曲も演技も表現することですが、それぞれ傾向や感性が違うので、表現する面も違いますか?
やはり俳優は与えられた物語があるので、その物語の中でどうすれば今自分が感じてる感情でキャラクターを演じるかが重要で、歌手として、作曲をする人としては、自分が想像してる、あるいは今感じてる感情をもう少し直接的に表現することができますし、歌は作って歌えばすぐに感情を表現できます。反面、俳優は一緒に作っていく俳優の方々とシナジーが必要です。
歌手はありのままの感情を表現するので、カタルシスが大きいですね。
カタルシスの性質が違いますが、大きさとしては似てます。後で結果が出たら、後から確認し、思い通りにうまく表現できたかどうかを見ることができます。演技は後でカタルシスが来ますが、撮影する時と公開された時の僕の姿は違うので、今ならこう表現するのに… という残念な気持ちになります。明らかに当時はそれが最善だったので、過去の演技を見ながらまた考えさせられます。
自分に厳しすぎるのでは?
そう言われることが多いのですが、最近は考え方を少し変えようと思ってます。完璧になりたいと思う気持ちが支配していたのですが、完璧になりすぎると完璧になれないかもしれないし、自然さは完璧さから生まれるのではなく、それ自体が自然なものであることに気づいたので、もっとリラックスして心を捨てる必要があることに気づきました。最近では表現方法を変えようと思ってます。基本的に人生で得たものが多ければ、表現方法がまた違ってくるんじゃないかと思いながら。
完璧という言葉にとらわれないことが重要です。
僕はこれまで厳しい人物をたくさん演じました。事故を経験し、トラウマを抱えながら生きてる人物を表現する時は、太陽の光も遮断して5ヶ月間暮らしました。そのように努力しなければ、事故から生き延びた人を表現することができないと思いました。
特に演技をする時、見逃したり、惜しい部分を作らないように努力しましたね。
惜しいと思う気持ちそのものがとても嫌なので、惜しくないようにしたいのですが、そんなに頑張っても惜しいのは惜しいです。面白いことに、僕だけが惜しいと感じる部分なので、他の人は知らなくても僕は知ってるので、どうにかして直さなければならないと思いました。しかし、最近では僕だけが惜しいというのは僕だけの解釈ですから、見る人によって違う解釈をすることもできるでしょう。
経験を積むことで精神的に成長しましたね。
その時ごとに僕ができる最善を尽くしたなら、後悔はないですね。
最後の質問です。素敵な男性はどんな人だと思いますか?
最近思うのは、柔軟な人。(笑) 柔軟性がゆとりも作り、そのような面が強さを作るような気がします。僕
も柔軟になろうと努力してます。
最近の話題は柔軟性ですね。
そうですね、どのような状況でも、どのような状況でも尖って硬くならず、柔軟に接することができるかを最近一番多く考えてます。
ぜひ柔軟性に達することを願っています。
そうですね。(笑)
「歌は作って歌えばすぐに感情を表現できるじゃないですか。一方、俳優はその人物になり、与えられた状況で動いて一緒に作っていく俳優の方々とシナジーが必要です。本当のやり方が違います」